『魔法使い』『理と不合理』『シェイクスピア』

『魔法使い』
『理と不合理』
『シェイクスピア』
この3つのワードからどの作品かわかりますか？
ヒントは月刊少年ガンガンで連載していたマンガで、アニメ化もされた作品です。

この作品のタイトルは･･･

それでは正解発表です。
この作品のタイトルは・・・・・・

『絶園のテンペスト』

2009年～2013年に月刊少年ガンガンで連載、2012秋~2013冬アニメで放送されていました。
原作はマンガで本編44話＋特別編6話(全10巻)、アニメは全24話で完結の作品です。

1話試し読み(無料は)こちら

作品紹介

※今後この作品に触れられる方もいらっしゃるため、マンガ1~3巻までの内容で重要なネタバレなしで作品を紹介しています。

ジャンル

この作品の主なジャンルはファンタジーとなります。
その他、細かいジャンルの割合(_※主観)的にはこんな感じです。

魔法が登場するためファンタジーとしていますが、ドラ●エやF〇のようなファイアーボールやモンスター召喚などの魔法は存在しません。
使われる魔法の種類はバリアや回復、高速移動が主になります。
このように書くと戦闘描写が物足りなく思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
魔法使い同士の戦闘では高速移動によるスピード感あふれる描写が、それ以外では近代兵器も用いられた派手な戦闘描写が美麗な絵で描かれています。

あらすじ

ある日、不破愛花＜ふわあいか＞という少女が何者かによって殺害され自宅で見つかった。

愛花の義兄である不破真広＜ふわまひろ＞はその犯人を捜す中、一族の裏切りにより孤島へ隔離されてしまった姫君・鎖部葉風からのボトルメッセージを見つけ協力関係を結ぶ。

一方で真広の親友であり、秘密裏に愛花の恋人であった滝川吉野＜たきがわよしの＞は真広を捜す女性に襲われてしまう。
犯人探し(兼、葉風の帰還の手伝い)の旅の途中で通りがかった真広が吉野を助けるが、町では鎖部一族による『絶園の樹』復活の儀式の影響で、住人が金属化(通称：黒鉄病)し壊滅していた。

真広は愛花を殺害した犯人を見つけ復讐するため、吉野は真広を助けるため・・・２人の世界を救う旅が開幕する。

作品の世界観

〇始まりの樹
鎖部一族が信仰する大樹。世界の理を支配しており、鎖部一族に魔法を貸し与えている。
世界創造の際に絶縁の樹と戦い傷ついたため活動を休止。

〇絶園の樹
「破壊」の力を司る大樹。世界創造の際に始まりの樹に敗れたことで、果実の状態で複数個所に封印されている。
復活する際には周囲の生物を金属化する「黒鉄病」を振りまく。

〇鎖部一族
魔法使いの一族。始まりの樹より世界の管理を任されている。
とある目的のため絶縁の樹を復活目論むが、一族の長である葉風に反対される。
その後、鎖部左門＜くさりべさもん＞を筆頭にクーデターを起こし葉風を流刑後、絶園の樹復活の儀式を始める。

〇鎖部一族の魔法
鎖部一族が始まりの樹へ供物(人の知識によって作られた道具や機械などの「文明の産物」)を捧げることで、魔法を借り受けることができる。
その際は、殺傷能力が高いもの(兵器など)程強い魔法を使用できる。
しかし、始まりの樹が理を司る樹のため、破壊や攻撃の魔法は存在しない。
主な魔法はバリア・高速移動・傷の回復など守りに特化している。

魅所

この作品は全てが奇麗！！

この作品の魅所として、まずお伝えしたいのはこの作品はとにかく奇麗です。
マンガ・アニメの絵はもちろんのこと、キャラクターの心理描写から作品のストーリー・構成など、この作品のすべての要素が奇麗に描かれています。

原作者である「城平京」先生はアニメ化もされている「虚構推理」などの作品も執筆しており、
この作品では一つ一つの設定や伏線が奇麗に結びついていますので、劇中の人物達と共に、ぜひ自身の見解を持ちながら読み(観)進めてみてください。

戦闘描写が二度おいしい！

ジャンルの項にて、この作品の直接戦闘の描写について記載しましたが、この作品の魅所はそれだけではありません。
魔法使い代表の鎖部左門と真広・吉野が対面するシーンでは心理・推理戦が行われ、巧みな舌戦が繰り広げられます。
美麗かつ迫力のある戦闘描写だけではなく、頭脳戦もぜひ楽しんでみてください。

主人公達が選ぶ物語の結末・・・ ※ネタバレなし

この作品はシェイクスピアの二つの作品を主題にして構成されており、作中でもその台詞が引用されています。
※この二作品を知らなくても本作を100%で楽しむことが可能です(私自身も、この本作を通してしか触れたことがありません)。

一つは四大悲劇である「ハムレット」。
復讐にとらわれた主人公が母親・恋人、恋人の兄を殺し、自身も恋人の兄との決闘で死んでしまう悲劇です。
本作はハムレットを先に取り入れており、第一話にはこの劇中の台詞のみが引用されています。

もう一つは、復讐劇でも最後はハッピーエンドを迎える「テンペスト」。
孤島に流された魔法使いが復讐をするも、最後は赦すことを選んだ作品です。
本作のタイトルもこの作品からつけられています。

2つの復讐劇を題材にしたこの作品で、二人の主人公はどんな結末を望むのか・・・ぜひ見届けてください。

マンガ・アニメ配信サイト

この作品はアニメでは吉野と真広の幼少期のエピソードや道中の出来事などのストーリーが追加されていたり(そのため、話数的にも厳しくなり後半のストーリーではカットされているシーンも多々ですが)、終盤の展開が大きく変更されています。

原作からの改編で賛否が分かれるかもですが声優も豪華で、OPは今見ても神懸っているのでぜひどちらも観てみてください！
おすすめはマンガ(原作)→アニメです！！

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2024年1月17日時点では、以下の３つのサイトは全話観ることが可能です。
残念ながらアマゾンプライムでは１話のみ、Netflixでは配信されておりませんでした・・・。

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